埼玉県春日部市にある「龍Q館」は、世界最大級の地下放水路である「首都圏外郭放水路」の機能や役割を学ぶことができる、ユニークなミュージアムです。国土交通省が設置した洪水防御施設「首都圏外郭放水路」の内部にあり、地下神殿と呼ばれる壮大な構造を持つ放水路を、模型や映像、そして実際の施設見学を通じて、より深く知ることができます。地下深くに広がる世界最大級の放水路は、その壮大なスケールと先進的な土木技術で多くの注目を集めています。
地底体感ホール
地底体感ホールは、首都圏外郭放水路の役割を光、音、映像でバーチャル体験できる立坑を模した円筒形の空間です。3面マルチ画像で迫力ある映像が楽しめ、洪水から人々を守るための施設の重要性を学べます。
展示室
2階の展示室では、首都圏外郭放水路の仕組みや機能について模型や映像で学べます。流域衛星写真による河川や治水施設の位置確認ができるほか、操作室をガラス越しに見学することもできます。展示室からは江戸川の流れや筑波山を眺めることができるため、景観も楽しめます。
ポンプ設備模型と操作室ウォッチング
ポンプ設備模型では、首都圏外郭放水路の排水機場の仕組みを学べます。大型の渦巻きポンプとガスタービンを間近で見ることができ、ポンプの運転や水の流れを体感できます。また、操作室ウォッチングでは、さまざまな施設の管理を行う操作室をガラス越しに見学できます。この操作室はテレビや映画の撮影にも利用されるほどの充実した設備を備えています。
シールドマシン模型と化石展示
中2階には、首都圏外郭放水路のトンネルを掘削するために使用されたシールドマシンの縮小模型が展示されています。実際に使用されたカッタービットも展示されており、説明を聞きながらシールドマシンの動きを学ぶことができます。また、調圧水槽の掘削時に発見された貴重な化石も展示されています。
地層タワーとスーパードラゴン
1階には、調圧水槽を掘削した際に出土した地層の断面を展示した地層タワーがあります。この地層タワーは、関東の地面を深く掘った貴重な記録で、25万年前の海の底にあったことを示す貝の地層が確認できます。また、市民ギャラリー上部には、画家・寺門孝之氏と子どもたちによって描かれた龍Q館のシンボル「スーパードラゴン」が展示されています。
地下神殿の見学会
龍Q館では、首都圏外郭放水路の見学会が定期的に開催されています。高さ18メートル、重量500トンの柱が林立する巨大な調圧水槽「地下神殿」に入ることができ、その壮大さを直接体感することができます。見学会の受付は1階エントランスで行われ、展示や操作室見学と合わせて楽しむことができます。
龍Q館は、首都圏外郭放水路の理解を深めるための展示とともに、その圧倒的なスケールを感じられる貴重な体験を提供します。ぜひ一度訪れて、日本が誇る防災施設の魅力を体感してください。