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鷲宮神社

(わしのみや じんじゃ)

関東最古の大社で、お酉さまの本社と云われる鷲宮神社は、鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」にしばしば登場し、関東の武士たちに深い敬意を持たれてきました。

鎌倉時代には幕府によって社殿が再建され、江戸時代には徳川将軍家から社領として400石が寄進されるなど、各時代の権力者から大きな保護を受けました。

神社には「鷲宮催馬楽神楽」という伝統的な神楽が伝わっており、その価値が認められ国の重要無形民俗文化財に指定されています。

この神楽は関東神楽の源流とされ、江戸時代の里神楽の基礎を築いたと言われています。

近年は、アニメの聖地として日本全国はもとより海外からも多くのファンが参拝に訪れています。

由緒

伝承によれば、関東地方で最も古い大きな神社であり、かつては「鷲宮大明神」、「浮島大明神」、「大酉元祖」とも呼ばれていました。

古代の昔、天穂日命とその子の武夷鳥命は、東国を開拓するために昌彦と昌武という父子と共に出雲族の27人の一族とともにこの地に到着しました。地元の部族と協力して、この地の鎮守神として大己貴命を祀ったと言われています。それが現在の別宮である神崎神社でした。その後、日本武尊が東国を平定する際にこの地を訪れ、勝利を祈願するために本殿である鷲宮神社を建て、天穂日命と武夷鳥命を祀ったとされています。ただし、これらの出来事は『延喜式神名帳』や『国史』には記載されていません。

歴史

鷲宮神社は自称する「関東最古の大社」ですが、最初に記録に現れるのは『吾妻鏡』の建長3年(1251年)の記述であり[1]、この主張には根拠がありません。いつ「関東最古」と称されるようになったのかは不明ですが、吉田神道によって少なくとも享保18年(1733年)に完成した『神名帳考証』においては延喜式内社・前玉神社と同一視され、後に鷲宮神社もそれを受け入れました[1]。明治時代以降、「前玉神社の論社」とは名乗らなくなりましたが、「関東最古」の呼称は残っています。また、発掘調査によって縄文時代の遺跡(鷲宮堀内遺跡)が見つかっており、この地には古くから住民が存在していたことがわかっています。

中世以降、鷲宮神社の周辺地域は将軍の領地である太田荘となり、関東地方の総社や鎮守として東国の武士たちから崇敬を受けました[1]。建長3年(1251年)、北条時頼が当社に奉幣祈願を行ったことが『吾妻鏡』に記され、鎌倉幕府の祈願所として扱われました[1]。また、藤原秀郷や新田義貞、古河公方、関東管領の歴代上杉氏、後北条氏などが奉納や寄進、社殿の建築などを行いました。鎌倉時代から室町時代にかけては太田荘の総社として、藤原秀郷の流れを汲む太田氏が守護しており[1]、裏手には栗原城という城郭も存在しました。応安5年(1372年)には小山義政が社殿を再興しました。また、太田荘内や中川(古利根川)沿いには多くの分祀も生まれました。

天正19年(1591年)、徳川家康が社領として400石を寄進し、歴代の将軍たちは朱印状を発行して社領を

安堵しました(朱印地)。小山氏が滅亡した後は、戦国時代から江戸時代初期にかけては、宮司職は良岑安世の子孫とされる大内氏に引き継がれました[1]。江戸時代初期から明治時代初期まで、大内氏が神社の所領(約1000石)を治めました。江戸時代初期、徳川家光が日光東照宮を参拝した際、利根川の渡河の警備に参加していた大内氏は、家光が利根川に落水した際に助けたのです。その功績により、本来なら領地が加増されるはずでしたが、関ヶ原の戦いから間もない時期で余裕がなかったため、代わりに江戸城内で1万石の所領を与えられました。そのため、江戸城に登城する際には大名が通る部屋に案内され、大内氏の家臣は江戸城内で「家老」として待遇されたと言われています。

鷲宮神社には新義真言宗豊山派の大乗院・万善寺・福伝坊・実相院・宝珠院などの寺院が供僧として存在しましたが、中でも大乗院が別当寺の地位にありました[1]。鷲宮神社の宮司である大内氏は、神祇管領長上の吉田家と関係を持ち、江戸時代中期以降、唯一吉田神道を推進しました。そのため、一度は大乗院が破却されるなど、何度か論争が起こりました[1]。しかし、大乗院は後に復興され、江戸時代末まで別当寺の地位を保ちました。

明治元年(1868年)、明治新政府によって鷲宮神社は准勅祭社(東京十二社)に指定されました。明治初期の寺院整理や神社統合により、別当寺である大乗院は廃止されました。准勅祭社の制度自体はすぐに廃止されましたが、その後も鷲宮神社は県社としての地位を保ち、近隣の九柱の神社と合祀されました。戦後は別表神社となりました。

Information

名称
鷲宮神社
(わしのみや じんじゃ)
リンク
公式サイト
住所
埼玉県久喜市鷲宮1丁目6-1
電話番号
0480-58-0434
駐車場
60台
アクセス

東武伊勢崎線 鷲宮駅から徒歩で7分

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