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埼玉県立 歴史と民俗の博物館

(さいたまけんりつ れきし みんぞく はくぶつかん)

埼玉の歴史と文化を深く探求する、国宝など貴重な文化財が数多く収蔵された博物館

埼玉県立歴史と民俗の博物館は、埼玉県さいたま市大宮区高鼻町の大宮公園内にある、歴史と民俗、美術の総合博物館です。前身は1971年に開館した埼玉県立博物館で、2006年に埼玉県立民俗文化センターと統合して現名称となりました。

沿革

前身の埼玉県立博物館は、埼玉県の設置100周年を祝う「埼玉百年」記念事業のメインプロジェクトとして1970年に竣工し、1971年11月1日に開館しました。設計は前川國男です。開館当時、都道府県立の人文系総合博物館としては画期的な規模と内容を持ち、他の都道府県立博物館に大きな影響を与えました。

埼玉県立博物館の建設前、この地には埼玉県立文化会館がありました。1955年に附設郷土展示場が設置され、1957年には附設郷土展示室となり、将来的には大規模な郷土館にする計画がありました。その後、県立博物館の設置構想が打ち出され、県内各地から誘致運動が始まりました。浦和、熊谷、秩父、川越、東松山、大宮の各市が名乗りを挙げ、協議の末、1966年に大宮が建設地として決定しました。

その後、近代美術は1982年11月3日に開館した埼玉県立近代美術館に移され、1983年11月3日に歴史系総合博物館となりました。また、埼玉県立民俗文化センターは1980年11月1日に開所し、通称「わざの博物館」として民俗芸能と民俗工芸の調査・記録・保存を行いました。

2006年4月に埼玉県立博物館等の統合計画により、「埼玉県立歴史と民俗の博物館」となりました。建物は県立博物館のものを引き継ぎ、民俗文化センターはそのまま残されています。2007年4月には「郷土学習室」を「ゆめ、体験ひろば」に改装しました。

主な収蔵品

埼玉県立歴史と民俗の博物館には多くの貴重な収蔵品があります。以下にその一部を紹介します。

国宝

太刀 銘備前国長船住左兵衛尉景光 作者進士三郎景政 嘉暦二二年己巳七月日(工芸品) - 1954年3月20日指定。
短刀 銘備州長船住景光 元亨三年三月日附小サ刀拵(工芸品) - 1956年6月28日指定。

重要文化財(国指定)

刀 無銘 伝助真(工芸品) - 所有者は龍門寺。1950年8月29日指定。
熊野神社古墳出土品

重要有形民俗文化財(国指定)

北武蔵の農具 1,640点 - 1983年4月13日指定。

埼玉県指定文化財

有形文化財の例として以下が挙げられます。

月江正文和尚頂相(絵画) - 1956年11月1日指定。
紙本着色太平記絵巻 巻第一、二、六、七、十 5巻(絵画) - 1996年3月19日指定。
一の谷合戦図屏風 海北友雪筆(絵画) - 1996年3月19日指定。
紙本着色鯉亀図 葛飾北斎筆(絵画) - 2008年3月14日指定。
円空作木造薬師如来立像(彫刻) - 1994年3月16日指定。
円空作木造十二神将立像 12躯(彫刻) - 1994年3月16日指定。
鋳銅懸仏(工芸品) - 1961年3月1日指定。
螺鈿鞍(工芸品) - 1962年3月10日指定。
石燈籠(工芸品) - 1962年3月10日指定。
椿文鎌倉彫笈(工芸品) - 1972年3月28日指定。
縹糸威最上胴丸具足(工芸品) - 1982年11月30日指定。
源氏車紋鞍(付障泥一対、鐙一対、轡一口)(工芸品) - 1982年11月30日指定。
藤枝太郎英義作 刀(工芸品) - 1988年2月26日指定。
道憲作十文字槍(工芸品) - 1988年2月26日指定。

有形民俗文化財の例として以下が挙げられます。

赤山渋生産用具及び渋小屋 99点 - 1987年3月24日指定。
岡田家芝居衣裳・用具 462点 - 1994年3月16日指定。
石山家芝居衣裳・用具及び芝居台本 291点 - 1994年3月16日指定。
中本家神楽師用具 257点 - 1999年3月19日指定。
押絵羽子板面相師関係資料 5,584点 - 1999年3月19日指定。
高梨家神楽師用具 427点 - 2000年3月17日指定。
江戸川の船大工用具と漁船 1,206点 - 2003年3月18日指定。

史跡としては以下が挙げられます。

大宮公園内遺跡 付出土品 - 1956年11月1日指定。

展示構成

埼玉県立歴史と民俗の博物館では、多様な展示が行われています。

特別展示室
季節展示室
常設展示室(歴史順展示) - 毎月一回展示替えが行われます。

常設展示室の詳細は以下の通りです。

第1室 - 狩りから稲作へ(旧石器~弥生時代)
第2室 - 鉄剣は語る(古墳時代)
第3室 - 武蔵武士(奈良~南北朝時代)
第4室 - 美術展示室
第5室 - 乱世に生きる(室町~戦国時代)
第6室 - 武士の心・板碑
第7室 - 幕府の支配と村のくらし(江戸時代I)
第8室 - 社会の成長とゆらぎ(江戸時代II)
第9室 - 激動の時代をこえて(明治時代~現代)
第10室 - 民俗展示室

その他、いつでも誰でも参加できる「ゆめ・体験ひろば」や「自由自在座」、「ものづくり工房」、「昭和の原っぱ」など、さまざまな体験メニューが用意されています。

Information

名称
埼玉県立 歴史と民俗の博物館
(さいたまけんりつ れきし みんぞく はくぶつかん)

大宮・浦和・鴻巣

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