さいたま市立漫画会館は、埼玉県さいたま市北区盆栽町にある美術館です。この美術館は「日本の近代漫画の先駆者」および「日本初の職業漫画家」とされる漫画家、北澤楽天の晩年の居宅跡に建てられました。1966年(昭和41年)11月に開館し、公立美術館としては日本初となる、漫画を主な収蔵品とするマンガ・アニメミュージアムとして知られています。入館は無料で、多くの人々に親しまれています。
北澤楽天は1876年(明治9年)、大宮宿の旧家の四男として生まれました。楽天は福澤諭吉に見出され、『時事新報』の風刺漫画や『東京パック』のカラー漫画などを手掛け、「日本の近代漫画の祖」と称されました。
1948年(昭和23年)、72歳の時に東京から父祖の地である大宮市(現在のさいたま市)に転居し、大宮盆栽村に自宅を構えました。この自宅を「楽天居」と名付け、楽天はここで晩年を過ごしました。1955年(昭和30年)に79歳でこの世を去った楽天は、大宮市名誉市民の第1号として推挙されました。
楽天には子供がなく、養子を迎えることもしなかったため、著作権の散逸を憂いた夫人のいのは、1959年(昭和34年)に作品とその著作権、愛用の品、楽天居の敷地を大宮市に寄贈しました。これを受けて1966年(昭和41年)9月29日に大宮市立漫画会館が楽天居跡に落成し、同年11月に開館しました。
その後、2001年(平成13年)5月に合併によるさいたま市の設置により現在の名称となりました。また、2007年(平成19年)度には、日本漫画家協会から当館における一連の活動が評価され、日本漫画家協会賞の特別賞を受賞しました。
さいたま市立漫画会館では、楽天の晩年の居宅である「楽天居」の画室が移築され、常設展示室では楽天の作品が展示されています。また、企画展示室では収蔵品展や他の漫画家の企画展、さいたま市主催の公募漫画展「北沢楽天漫画大賞」の作品展などが開催されます。
2階には漫画資料室があり、土曜・日曜・祝日と夏休み期間中に蔵書を公開しています。これにより、訪れる人々は多くの漫画作品や資料に触れることができます。
開館時間: 午前9時 - 午後4時
休館日: 月曜日(国民の祝日を除く)、年末年始
さいたま市立漫画会館へのアクセスは以下の通りです。
さいたま市立漫画会館は、漫画の魅力を伝える貴重な施設として、多くの人々に親しまれています。これからも楽天の遺産を守りながら、新たな漫画文化の発信地としての役割を果たしていくことでしょう。
さいたま市立漫画会館は、以下の関連施設とも連携しています。
さいたま市立漫画会館は、漫画を通じて多くの人々に感動を与え続けています。展示内容の充実やイベントの開催を通じて、今後も多くの来館者に楽しんでいただけることでしょう。ぜひ一度、足を運んでみてください。