埼玉県さいたま市岩槻区にある岩槻人形博物館は、日本初の人形をテーマとした公立博物館です。国内有数の人形産地である岩槻の歴史と文化を深く掘り下げ、人形の魅力を多くの人々に伝えることを目指しています。
岩槻人形博物館は、人と人形の歴史を探り、未来へと人形文化を継承することを目的としています。人形や人形文化に関する資料の収集・保存、調査研究を行い、展覧会や教育普及活動などを通じて、多くの方々に人形への親しみを持っていただけるような企画に取り組んでいます。岩槻の地から、広く国内外に向けて人形文化を発信するミュージアムを目指しています。
人形のまち岩槻にある人形をテーマとした日本初の公立博物館です。展示室は3つあり、それぞれ異なるテーマで構成されています。
展示室1では、人形製作の道具や材料が展示されており、映像により人形作りの様子を見ることができます。
展示室2では、日本画家で人形玩具研究家の西澤笛畝(にしざわてきほ 1889〜1965)のコレクションをはじめとした日本人形をご覧いただけます。
展示室3では、様々なテーマに基づく特別展・企画展が開催されます。さらに、ミュージアムショップやカフェなどの無料で入館できるエリアもあり、会議室ではワークショップなどが開催されます。
岩槻は国内有数の人形(岩槻人形)の産地として知られており、その伝統や文化を活かした観光施設として旧岩槻市時代の1960年代から建設構想がありました。さいたま市に編入合併後、埼玉高速鉄道岩槻駅延伸や岩槻城復元などの構想と絡めて建設計画が始動しました。
当初は岩槻城址公園の拡張地内に建設することが決定していましたが、岩槻区役所跡地を本館とし、取得地で普及施設の建設を行う方針に変更されました。また、本館の側ににぎわい交流施設「さいたま市にぎわい交流館いわつき」を建設し、博物館の開館に併せてオープンさせました。これにより、公立では日本で唯一の人形博物館となりました。
岩槻人形博物館の所蔵品は、西澤笛畝(1889-1965)コレクションを柱としています。笛畝は画壇で活躍した日本画家でありながら、人形玩具研究家、収集家としても知られ、人形文化の発展と普及に尽力しました。笛畝の集めた人形は質が高く、幅広いジャンルにわたるのが特徴です。
その他、浅原革世コレクションなどの個人コレクション、市民や全国の方々から寄贈された人形を中心に構成されています。現在、5,000点以上の人形とその関係資料が所蔵されています。
岩槻をはじめとした埼玉県は日本最大の人形の生産地です。この展示室では、人形はどのように作られているのか、伝統的な技法を中心に紹介します。人形の製作道具や材料、近隣で作られた人形や文献などの資料を展示するほか、現代の職人による人形作りの様子を映像でご覧いただけます。
当館の所蔵品は、日本画家で人形玩具研究家として知られる西澤笛畝の著名な日本人形のコレクションが柱となっています。この展示室では、笛畝コレクションをはじめとした所蔵品の日本人形を、常時ご覧いただけます。華やかな雛人形、胡粉の白い肌が印象的な御所人形、彩色が美しい嵯峨人形、小さくても精巧な加茂人形や芥子人形、着せ替えを楽しめる市松人形など、日本の伝統的な美意識に基づき作られた人形をご鑑賞ください。※作品保護のため、定期的に展示替えを行います。
2009年(平成21年) - 第1回岩槻人形会館開設準備委員会が開催。2012年開館を目標としていた。
2010年(平成22年) - 岩槻城址に隣接する土地を市有地(岩槻城址公園の拡張地)として取得。
2015年(平成27年) - 事業用地を岩槻区役所跡地に拡大。
2016年(平成28年) - NPO法人岩槻・人形文化サポーターズを設立。
2017年(平成29年)11月 - 着工。
2020年(令和2年)2月22日 - 開館。