古くから作られ、かつて草加市の草加煎餅・川越市の芋菓子と共に埼玉の三大銘菓のひとつといわれていた「五家宝」。時代の流れから一時は存続が危ぶまれていた時期もあったが、近年は伝統製法で作られる無添加の自然食品として見直され注目を集めている。きな粉をまぶした独特の粘着性を持つ生地の歯ざわりと、餅を砕いたのちに煎って作られる香ばしいアラレ状のタネの組み合わせが「五家宝」ならではの食感を演出し、口どけの良さと相成って広がる控えめな甘さで昔ながらの素朴な味わいが楽しめる。「五嘉棒」の名で文政年間に熊谷で売り出され、その後「五嘉宝」「五箇宝」表記を経て、「五穀は家の宝である」という祈りを込めて現在の表記となったとも言われています。