埼玉県小川町に位置する「割烹旅館二葉」は、270年という長い歴史を持つ老舗の旅館です。国の登録有形文化財に指定された風格ある建物は、訪れる人を懐かしい日本の風情へと誘います。日本五大名飯のひとつ「忠七めし」が名物で、回遊式日本庭園も見どころの一つです。
割烹旅館二葉は、1748年に創業された老舗割烹旅館で、その建物は国の登録有形文化財に指定されています。美しい日本庭園には、登録有形文化財に指定された茶室もあり、初夏にはホタル、秋には紅葉と四季折々の風景が楽しめます。
食事を終えて庭園に出ると、まず目に入るのが大きな石灯籠です。昭和8年に建築された、国登録有形文化財に指定されている池の上に佇む「六六亭」という離れも見逃せません。自然木が多く使われた木造の建物で、昭和の時代にタイムスリップしたような気分になります。
庭園内には、うさぎ石を護り神とする小さな祠や、亀石など興味深い石が点在しています。池には亀の形をした「亀石」があり、自然の力で育った草が海亀のように見えます。庭園の見学のみの一般公開は行っておりません。
庭園内には樹齢200年のざくろの木があります。また、庭園を造る際に使用された石は多種多様で、歴史的価値が高いものばかりです。右手の石橋を渡ると灯籠の脇に樹齢150年以上の黒松があり、頂上には赤松が見られます。また、古い時代の板碑や馬頭観音もあります。
割烹旅館二葉では、地元の有機野菜を使用した会席料理を提供しています。名物料理「忠七めし」は、海苔をまぶしたご飯に柚子、さらしねぎ、わさびをのせ、秘伝のおつゆをかけていただくお茶漬け風の一品です。この料理は幕末から明治初期にかけて活躍した山岡鉄舟が名付け親で、地元の新鮮な食材を使用しています。
割烹旅館二葉は駅近くに位置しながら、千坪の広大な敷地を持ち、築80年の大規模な数寄屋造りの建物、離れ茶室、鉄筋三階建の建物が建ち並びます。回遊式日本庭園は訪れる人々の心を癒します。名物の「忠七めし」は、明治の偉傑山岡鉄舟が名付け親で、地元有機野菜を中心にした会席料理の最後に提供されます。
天皇陛下をはじめ皇族方や映画監督黒澤明、作家向田邦子、人間国宝石黒宗磨、陽明学者安岡正篤氏など、各界の著名人にも愛されています。
割烹旅館二葉の本館は、国指定登録有形文化財として保存されています。外観は昔の佇まいを残し、内部には訪れた著名人の色紙や写真が展示されています。本館の部屋は日本庭園に面し、黒澤明や向田邦子が愛した部屋でもあります。
また、二階の宴会場は古き良き時代の雰囲気をそのままに保ち、訪れる人をタイムスリップさせます。新館には各客室の他にお風呂もあり、日帰り入浴も人気です。一階には山岡鉄舟の書などを展示した記念室もあります。
割烹旅館二葉の本館は、小川町駅前通りに面して建っています。正面側は複雑な屋根構成を持ち、内部には70畳の大広間があり、床の間と舞台が設けられています。この建物は東京から招いた棟梁によって造られ、吟味された用材と職人芸が随所に発揮された数寄屋風料亭建築です。
「忠七めし」は、割烹旅館二葉の名物料理で、幕末から明治初期にかけて活躍した山岡鉄舟が、八代目当主・八木忠七に所望して作り出されたものです。この料理は、海苔をまぶしたご飯に柚子、さらしねぎ、わさびを適量のせ、秘伝のおつゆをかけてお茶漬けのようにさらさらといただくものです。
使用する海苔は瀬戸内産を厚めに焼き上げ、お米は富山で契約栽培された低農薬のコシヒカリです。鰹節は焼津の極上品を使用し、薬味の柚子とねぎは地元の無農薬栽培のものです。料理の一部にも地元有機野菜を使用しています。