埼玉県上里町にある上里菅原神社は、菅原道真公を祀る神社として、地域の人々に親しまれています。平安時代から続く歴史を持ち、学問の神様として多くの崇敬を集めています。
延喜3年(903年)、菅原道真の没後、道真の御意を全国に広める旅をしていた陰陽博士の紀友成が日本回国の旅に出発し、この地へ立ち寄ったことから、村人たちが菅原道真を村の鎮守とすべく小さな祠を建立したことが起源とされています。併せて神代の神々である武夷鳥神と火雷神を祀りました。
その後、仇討ちで有名な曽我兄弟の祖父である伊東祐親(北条義時の祖父)が、治承年間(1177~1180年)に浄財を集めて社殿を改築しましたが、新田氏や北条氏の戦火により数度にわたって焼失しました。以来、地方の名主たちの尊崇を集め、開運招福や一門繁栄を願ってたびたび補修や寄進が行われ、現在の社殿は2007年(平成19年)に改築されました。
当社は古くから「天満宮(天神さま)」と称されていましたが、明治5年に埼玉県児玉郡長幡村の村社に列し、明治33年には郷社に昇格しました。そして明治34年に社名が「菅原神社」と改称され、現在に至っています。
現在の社殿は2007年(平成19年)に改築され、荘厳な雰囲気を醸し出しています。学問の神様として多くの人々に崇拝されており、ウクライナ語版の御朱印が人気を集めています。神社の歴史と伝統を守りながら、現代においても多くの人々に信仰され続ける存在です。