埼玉県加須市にある玉敷神社は、古くから人々に崇敬されてきた由緒ある神社です。延喜式神名帳にも記載され、元荒川流域に広がる久伊豆神社の総本社的な存在でもあり、広く信仰を集めてきました。
玉敷神社は1300年以上の歴史を持つ延喜式内社です。大宝3年(703年)、東山道鎮撫使・多次比真人三宅磨によって創建されました。一説には、成務天皇6年(136年)に武蔵国造・兄多毛比命が創建したとも言われています。延喜式神名帳では「武蔵国埼玉郡 玉敷神社」と記載され、小社に列格されています。
元は現在の場所から北方の埼玉郡正能村(現:加須市正能)に鎮座していましたが、天正2年(1574年)に上杉謙信の武蔵出兵の際に兵火により焼失しました。その後、江戸時代に埼玉郡根古屋村(現:加須市根古屋)の騎西城大手門前に再建され、寛永4年(1627年)頃に現在地に遷座しました。
玉敷神社は、「玉敷神社神楽」や「お獅子様」、「だるま市」、「藤まつり」、「お馬くぐり」、「夏祭り」など、多くの行事が行われるため、訪れるたびに楽しむことができます。また、県の天然記念物に指定されている大銀杏や神苑の藤をはじめ、梅・桜・紫陽花・銀杏など、四季折々の美しさも感じられます。
玉敷神社の祭神は大己貴命です。
玉敷神社では、以下のような祭事が行われています。
1月から11月にかけては「お獅子様」のお祓い行事が行われます。これは玉敷神社独特の神宝で、五穀豊穣や家内安全を祈るために各地に貸し出されています。
玉敷神社には多くの文化財があります。
玉敷神社の東側には大正13年(1924年)に造成された約12000㎡の神苑があります。ここには樹齢400年以上の藤の巨木があり、毎年4月末から5月上旬にかけて見事な花房を見せます。藤祭りの時期には多くの花見客が訪れます。