埼玉県所沢市山口にある金乗院は、古くから人々に親しまれてきた寺院です。山号は吾庵山、寺号は放光寺で、本尊は千手観音であるため、山口観音とも称されます。千手観音は、数多くの手を持ち、人々を救う慈悲深い姿で知られています。
金乗院は、弘法大師が開基とされる真言宗の寺で、絵馬、天井一面の墨絵の竜、千手観音などが有名です。他にも貴重な文化財が多数あり、武蔵野33観音第13番札所となっています。
山口観音は、所沢市の南西部に位置し、西武鉄道「西武球場前駅」の近くにあります。正式なお寺の名前は金乗院で、千手観音を本尊としています。この千手観音は、人々を救う観音の慈悲と力を象徴しています。
金乗院には2体の千手観音像があります。表観音と呼ばれる仏像は普段は見ることができない秘仏で、33年に一度だけ開帳されます。裏観音は所沢市の指定文化財で、いつでも参拝者が見ることができます。
金乗院は、奈良時代に行基菩薩によって創建され、後に弘法大師が開基されたと伝えられています。境内には貴重な文化財が多数あり、その中には市指定文化財も含まれます。
この寺は古くから観音信仰の霊場として知られ、観音像や観音堂は弘仁年間(810年 - 824年)に空海によって開かれたと伝えられています。鎌倉時代末期には、新田義貞が鎌倉を攻めた際にこの寺で祈願したとされています。
本堂にまつられている本尊の千手観音は秘仏で、33年に一度開帳されます。平成29年(2017年)4月29日から5月1日に開創1200年を記念して開帳されました。本尊の脇仏には不動明王と毘沙門天がまつられています。
金乗院は行基菩薩が開いたと伝えられ、弘法大師が東国巡錫の際に龍神に祈念して霊泉を得たことから、弘法大師加持水と称されました。山口観音には四体の千手観音像があり、その一体は市指定文化財です。
山口観音は狭山三十三所第一番の札所でもあり、狭山湖と多摩湖の間に位置しています。また、近くには昭和50年に開かれた狭山不動尊もあります。
境内には多くの文化財があります。その中でも特に重要なのが、市指定文化財である木造千手観音立像です。
本像は秘仏本尊であり、行基作の伝承を持つ千手観音の裏観音として安置されています。檜材の寄木造で、総高77.2センチメートルの小型像です。後世の修理が各所に見受けられますが、平安時代後期の藤原様の特色を伝えています。