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東松山ぼたん園

(ひがしまつやま 牡丹 えん)

色とりどりの牡丹が咲き誇る

埼玉県東松山市にある東松山ぼたん園は、約3万㎡の広大な敷地に、約5000株の牡丹が咲き誇る関東有数のぼたん園です。4月中旬から5月上旬にかけて開催される「ぼたんまつり」では、色とりどりの牡丹が園内を彩り、多くの人々を魅了します。

開園の歴史と背景

東松山ぼたん園は、市の花である「ぼたん」の普及活動の一環として、平成2年に開園しました。当初は「野田ぼたん園」としてスタートしましたが、1998年に大幅な拡張が行われ、現在の名前である「東松山ぼたん園」として親しまれるようになりました。現在では約150種類、約5000株の牡丹が植栽されており、関東有数の規模を誇ります。

市内にある著名な箭弓稲荷神社牡丹園と並び、行楽客の多い観光スポットとなっています。牡丹開花シーズンには「ぼたんまつり」が開催され、入園料が必要となります。

園内の施設と植栽

東松山ぼたん園では、牡丹だけでなく、アジサイやイロハモミジ、ロウバイなどの植栽も楽しむことができます。また、大型複合遊具や芝生広場、展望台などの施設も整備されており、年間を通して訪れる人々に楽しみを提供しています。

牡丹の品種と特性

牡丹は、ボタン科ボタン属の落葉低木であり、中国原産の植物です。別名として「富貴草」「富貴花」「百花王」「花王」「花神」など多数の呼び名があります。観賞用の花木として広く栽培され、庭に植えられることが多いです。牡丹の根の樹皮部分は薬効があり、漢方薬の原料としても利用されます。

500年頃に中国で成立した『神農本草経』には、牡丹が薬草として記載されています。日本に牡丹が渡来した時期は不明ですが、『出雲国風土記』(733年成立)に記載があり、平安時代には遣唐使が中国から持ち帰ったと推定されています。その後、日本各地の寺院で栽培されるようになりました。

牡丹の栽培は元禄時代から盛んになり、幕末期には「吉助の牡丹」として名所に数えられたこともあります。原産地は中国西北部であり、花を観賞するために栽培されています。落葉広葉樹の低木で、高さは50 - 180センチメートルに達し、幹は直立して枝分かれし、太くて無毛の枝を持ちます。樹皮は淡褐色から茶褐色で、浅く割れて剥がれます。葉は1回3出羽状分裂し、小葉は卵形から披針形で、葉先は2 - 3裂するか全縁です。

花期は初夏(5月頃)で、本年枝の上端に大型の花を1個つけます。冬牡丹は、春咲きの品種を温度調節して冬に咲かせたものです。冬芽は鱗芽で、頂芽は互生する側芽よりも大きく、長さ2 - 3センチメートルもあります。芽鱗は6 - 8枚あり、内側の芽鱗は濃赤褐色をしています。

元々は薬用として利用されていた牡丹ですが、盛唐期以降は「花の王」として他の花よりも愛好されるようになりました。例えば、『松窓雑録』によれば、玄宗の頃に初めて牡丹が愛でられるようになりましたが、当時は「木芍薬」と呼ばれていました。また、隋の煬帝や初唐の則天武后が牡丹を愛でたという故事もあります。清代以降、1929年までは中国の国花であったとされることもありますが、清政府が公的に制定した記録は見られません。

日本に渡来した当初の牡丹は単弁花でしたが、現在栽培されているものは重弁花もあり、色や形が複雑になっています。

Information

名称
東松山ぼたん園
(ひがしまつやま 牡丹 えん)

川越・東松山

埼玉県