東松山市の”やきとり”は、”とり”ではなく、豚のかしら肉を使用している。辛いみそだれを付けて食べるのが、東松山流。市内には100店舗以上のやきとり店があるが、みそだれは、白みそをベースに、ニンニク、とうがらしなど十数種類のスパイスを、それぞれのお店が独自の配合でブレンドしている。『東松山やきとり丼』は特製のタレにつけ込んだカシラ肉を野菜と煮込み、辛味噌でアクセントを付けたどんぶりで東松山の発のやきとりの新提案である。
北海道の美唄市、室蘭市、福島県福島市、愛媛県今治市、山口県長門市、福岡県久留米市と共に、東松山市は「やきとり」の名店が多く立ち並ぶ日本7大「やきとり」の街として知られています。特に東松山市の「やきとり」は、通常の鶏肉ではなく、豚のこめかみから頬にかけた部位であるカシラ肉を使用するのが特徴です。かつてはこの部位はあまり一般的な肉として利用されず、加工食品の材料に多く使われていました。しかし、地域の工場で働く人々の食事を支える大切な存在となりました。
「やきとり」は、カシラ肉と長ネギを交互に刺し、じっくりと炭火で焼き上げ、塩味で提供されます。特にお客様の好みに合わせて付ける味噌だれが重要な役割を果たします。味噌だれはお店ごとに異なる風味を持ち、そのお店の個性を表す要素とも言えるでしょう。
豚のカシラ肉
カシラ肉は、豚の頭部のこめかみから頬にかけた部分を指します。これは一頭の豚からごくわずかしか取れない希少な部位です。この部位は豚肉の頭部の中で最も美味しいとされています。柔らかくて脂肪が多いのが特徴です。鮮度が保たれる時間が限られており、そのため一般のスーパーマーケットではほとんど見かけることはありません。