埼玉県川越市にある仙波東照宮は、徳川家康(東照大権現)を祀る神社として知られています。日光東照宮、久能山東照宮と並び、日本三大東照宮の一つに数えられ、その荘厳な姿は多くの人々を魅了しています。
元和2年(1616年)に徳川家康公が薨去し、元和3年(1617年)にその遺骸が久能山から日光山に改葬される際、天台宗の僧侶・天海によって喜多院で法要が行われました。この際、後水尾天皇から「東照大権現」の勅額が下賜され、同年に天海によって仙波東照宮が創建されました。1638年(寛永15年)の川越大火で焼失しましたが、徳川家光の命により川越藩主の堀田正盛が造営奉行に任命され、幕府の手によって再建されました。
仙波東照宮の本殿には、木像の家康公像が祀られています。石鳥居は寛永15年(1638年)に堀田正盛が奉納したもので、境内には歴代の川越藩主が献燈した石灯籠が並びます。拝殿には岩佐又兵衛筆の「三十六歌仙絵額」、幣殿には狩野探幽作の「鷹絵額十二面」が奉納されています。これらは国の重要文化財に指定されています。
仙波東照宮の入口には鮮やかな朱色の随身門があり、ここをくぐると本殿までの真っ直ぐな参道が続いています。随身門は国の重要文化財に指定されており、その美しい門を抜けると歴史の重みを感じることができます。
参道の途中には、江戸時代に堀田正盛が奉納した石鳥居が立っています。この鳥居は寛永15年(1638年)に建立され、370年以上の歴史を誇ります。多くの参拝者がここをくぐり抜けてきたことでしょう。
拝殿の手前には、元々江戸城にあった手洗鉢が置かれています。川越大火の後、徳川家光が仙波東照宮の再建計画を立て、その命により移設されたものと考えられています。
拝殿前に並ぶ2対の狛犬も江戸城から移設されたもので、埼玉最古の狛犬とされています。この狛犬は川越まで移されたことで、新たな歴史の一部となっています。
仙波東照宮の本殿は、三間社流造・銅瓦本葺・極彩色で装飾されています。創建は寛永10年(1633年)で、その後の大火で焼失しましたが、寛永17年(1640年)に再建されました。現在の社殿には徳川家光が奉納した岩佐又兵衛筆「三十六歌仙絵額」や、「東照宮大権現」の勅額が掲げられています。
仙波東照宮の北側には、厳島弁財天が位置しています。社を取り巻く庭園「葵庭園」では、5月下旬から7月上旬にかけて蛍を見ることができ、自然と歴史が調和した美しい景観を楽しむことができます。
仙波東照宮には、多くの重要文化財があります。
仙波東照宮の御朱印は、川越八幡神社で頂くことができます。
仙波東照宮は、歴史的な背景と美しい建築、数多くの文化財によって訪れる人々に豊かな文化と歴史を提供しています。ぜひ一度訪れて、その魅力を感じてみてください。