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箭弓稲荷神社

(やきゅう いなり じんじゃ)

荘厳な社殿、美しい庭園、勝負事の成就に

埼玉県東松山市にある箭弓稲荷神社は、和銅5年(712年)の創建と伝えられる歴史ある神社です。五穀豊穣、商売繁盛、芸道向上、勝負の神様として広く信仰を集め、特に「やきゅう」の読み方から野球関係者の参拝が絶えません。社殿は、本殿・幣殿・拝殿からなる権現造の複合社殿で、関東地方において有数の規模を誇り、令和6年に国の重要文化財に指定されました。

歴史

箭弓稲荷神社の創建は和銅5年(712年)と伝えられます。平安時代には源頼信が白狐に乗った神から箭(や)と弓を授かる夢を見て戦に勝ち、感謝の意を込めて社殿を寄進したとされています。文化年間(1804年~1818年)には社殿の造営が計画され、天保6年(1835年)に本殿及び幣殿が上棟し、天保11年(1840年)には拝殿が竣工しました。

建築様式

箭弓稲荷神社の社殿は本殿、幣殿、拝殿からなる権現造の複合社殿で、関東地方でも有数の規模を誇ります。本殿は梁間三間の三間社流造で、銅板段葺きとし、背面には軒唐破風が付いています。幣殿は桁行三間、梁間一間の両下造で、神饌所や祭器庫が設けられています。拝殿は桁行が正面三間、背面五間、梁間三間の入母屋造で、正面に千鳥破風と軒唐破風付きの向拝を付しています。

文化財

箭弓稲荷神社の社殿は、令和6年1月に国の重要文化財に指定されました。本殿、幣殿、拝殿に加えて、元宮本殿1棟、棟札3枚、古文書1冊が文化財の価値を示す構成要素として一体で附指定されています。また、絵馬8枚が東松山市指定文化財となっています。

境内の見どころ

境内には牡丹園があり、4月中旬頃から牡丹の花が見頃となり、藤やつつじと共に美しく咲き誇ります。牡丹園は1923年(大正12年)に東武鉄道社長根津嘉一郎から奉納されたもので、現在では3,500平方メートルの敷地に1,300株の牡丹があります。

穴宮稲荷(団十郎稲荷)

7代目市川団十郎は、芸道一筋に生きた歌舞伎役者で当社の熱心な崇敬者でした。団十郎は1821年(文政4年)に大願成就のための石祠を奉納し、現在でも技芸向上を願う人々から信仰されています。

その他の特徴

箭弓稲荷神社は商売繁盛、勝負の神様としても有名で、「やきゅう」という音との縁でプロ野球をはじめとする野球関係者が多く参拝します。特に、埼玉西武ライオンズの選手が頻繁に訪れます。また、「バット絵馬」「ベース絵馬」なども頒布されています。

箭弓稲荷神社周辺の地名は「箭弓町」といい、同神社に由来しています。主な芸能人の崇敬者には落語家初代林家三平並びにその子息の9代目林家正蔵がいます。

Information

名称
箭弓稲荷神社
(やきゅう いなり じんじゃ)

川越・東松山

埼玉県