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島田橋(沈下橋)

(しまだばし)

自然景観にとけこむ風情のある木造沈下橋

坂戸市島田と東松山市宮鼻の間を流れる越辺川には、全長77メートル、幅3メートルの沈下橋である島田橋があります。

この橋は江戸時代に川越・児玉往還の場所であり、渡船(島田の渡し)で通行していました。

明治時代になって木製の橋が架けられ、現在の橋も木製です。そのため、時代劇のロケ地として使われることがあります。

島田橋は越辺川にかかる坂戸市道2343号線の潜水橋(沈下橋とも呼ばれる洪水時には橋面が水面下になる橋)です。

坂戸と東松山の両地区の生活道路や抜け道として利用されており、越辺川の終点から約8.6キロ地点に位置しています。

橋の全長は約77メートルで、幅は約3メートルです。橋脚は木製で8つあり、9つのスパンからなる橋です。

上流側には独立した木組みの流木避けが設置されています。橋の床面は木製で欄干はありません。

現在の橋にはさまざまな通行制限があり、幅員制限は1.8メートル、橋の両入口に進入制限用のポールがあります。また、重量制限は1.5トンとなっています。

木製の橋ですが、車の通行は可能です。ただし、幅員が狭いため片側交互通行が行われます。島田橋の管理者は坂戸市です。冠水橋であるため、台風などの大雨の際には通行止めとなることがあります。

島田橋の特徴としては、ほぼ全体が木製で、路面は板張りになっています。そのため、古風な雰囲気と素朴な姿を長く保っています。

また、都心からのアクセスも良いことから、テレビや映画のロケーション撮影によく使われています。

この橋を使ったロケ撮影が行われた作品には、NHK大河ドラマの「翔ぶが如く」「新撰組!」「風林火山」「龍馬伝(第28回「武市の夢」)」や、テレビ朝日の「菊次郎とさき」、NHKの「陽炎の辻2」、TBSテレビの「JIN-仁-」、松竹映画の「幕末純情伝」「まぼろしの邪馬台国」「さや侍」などがあります。

この橋の場所は江戸時代には川越児玉往還が通っていた場所であり、石井宿(現在の坂戸市)と高坂宿(現在の東松山市)の間に位置しています。

この先、高坂宿手前の坂下橋で日光脇往還が合流しており、日光への交通路として利用されていました。明治時代初期まではこの場所には橋が架けられておらず、渡し船での連絡が行われていました。しかし、明治初期に木製の橋が架けられ、越辺川両岸の連絡が容易になりました。

一方、島田橋の上流約900メートルの場所にはかつて日光脇往還の橋がありましたが、東上鉄道の建設工事に伴い、鉄道橋と場所が重なってしまったため、1920年に新たに高坂橋(現在の国道407号の橋)が建設されました。

そのため、島田橋から高坂橋までは距離が約600メートルしか離れていなかったため、両岸の連絡は高坂橋に移りました。この位置関係のため、島田橋は木製のままで鋼製やコンクリート製に架け替えることが許可されませんでした。

島田橋は増水による流失や木材の劣化などで何度も架け替えや補修が行われてきました。例えば、1958年の台風22号では流失するなどの被害があり、1994年の台風による流失後に架け替えられた橋が2014年の大雨で再び流失しました。

橋はコンクリートや鋼で再建するか廃止するかも検討されましたが、地元住民の声や地元の自治会長、県議会議員、市観光協会などの尽力により、約6800万円の費用をかけて元の形に復旧され、2015年に再開通しました。

Information

名称
島田橋(沈下橋)
(しまだばし)
リンク
公式サイト
住所
埼玉県坂戸市島田98-7
料金

無料

駐車場
なし
アクセス

圏央道「坂戸IC」より約10分

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