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浦山ダム・秩父さくら湖

(うらやま ちちぶ さくらこ)

日本屈指の大ダムと湖畔に桜が咲き乱れるダム湖

浦山ダムは、埼玉県秩父市浦山に位置する荒川水系の浦山川に建設された、雄大なスケールと美しい自然景観で知られる多目的ダムです。このダムは荒川水系の浦山川をせき止めていて、重力式コンクリートダムとして、日本で2番目に高い堤体(156m)を誇り、秩父地方のシンボル的存在です。

ダムには広い遊歩道が整備されており、内部には高低差132メートルのエレベーターや堤体内ギャラリーが設けられ、ダムの機能や構造を学ぶことができます。また、約500段の階段がダム外側に設置されており、スリル満点の体験ができます。

ダムに隣接する浦山ダム防災資料館「うららぴあ」には、ジオパーク秩父特設ギャラリーもあり、多くの見学者が訪れています。

ダムからの眺望と地質

浦山ダムの堤体上からは、秩父盆地を一望することができます。特に、南から眺める秩父盆地の景色は圧巻で、約1700万年前から1500万年前に存在した「古秩父湾」の地層や、荒川による河成段丘が広がる風景が見渡せます。堤体下部には、遠洋の海底で形成された赤色のチャートや泥岩が露出しており、これらは数千万年前の放散虫の殻が堆積してできたものです。

秩父さくら湖と観光

浦山ダムのダム湖は「秩父さくら湖」と名付けられ、春には湖畔に咲く桜が多くの観光客を魅了します。ダムは1994年から「地域に開かれたダム」として一般公開されており、内部見学も可能です。

西武秩父駅からも近く、国道140号からはダムの壮大な姿を望むことができ、観光名所として人気があります。また、ダムの最下部には資料館があり、エレベーターを利用して最上部までアクセスできます。さらに、ダムの水圧を体験できる設備もあり、誰でも自由に楽しむことができます。

ダム建設の歴史と目的

浦山ダムは当初、堤高165.0mの中央土質遮水壁型ロックフィルダムとして計画されていましたが、後に事業費節減と地質調査の結果から重力式コンクリートダムに変更されました。堤高156.0mのダムとして施工され、日本でも屈指の大ダムとして完成しました。ダム建設に伴い、49戸の住居が水没することとなり、補償交渉には時間がかかりましたが、1978年に妥結されました。ダムの目的は洪水調節、不特定利水、東京都・埼玉県への上水道供給、埼玉県営の発電です。

清水バイパスと環境保全

かつては大雨の際、濁った水をそのまま放流していましたが、魚やその他の動植物への影響を考慮し、清水バイパスが設置されました。この施設は、ダムの上流からきれいな水を導水し、下流に放流することで環境保全を図っています。

浦山ダムのライトアップと観光施設

浦山ダムでは、定期的にライトアップが行われ、美しい夜景を楽しむことができます。ライトアップ期間中は「うららぴあ」や下流広場の駐車場が開放され、多くの観光客が訪れます。また、ダムに隣接する資料館「うららぴあ」内には「さくら湖食堂」があり、「浦山ダムカレー」などの地元料理を楽しむことができます。さらに、日本初の「浦山ダムラーメン」も提供されており、訪れる人々に好評です。

浦山ダムは、観光、学習、環境保全の面で多くの役割を果たしており、訪れる人々に豊かな体験を提供しています。自然の美しさとダムの壮大さを楽しみながら、浦山ダムの魅力を存分に味わってください。

Information

名称
浦山ダム・秩父さくら湖
(うらやま ちちぶ さくらこ)
リンク
公式サイト
住所
埼玉県秩父市荒川久那4041
電話番号
0494-25-4400
アクセス

浦山口駅から徒歩で20分

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